確かめた。
そんな気がした。

水が溜まる間、
住職の声が後ろから
エコーが掛かって聴こえる。

「あなたは今、
何の仕事をなさっていらっしゃるのですか?」

勿論、即答した。

「してません!」

「そうですか、
広いですからね」

「広いですからね…か。
そうだな。広いな」

川田は、一人で呟き
仕事を辞める言い訳と
謝罪の言い訳の二つを考えなければ
ならないな、

思った。

(完)
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