声が出せたなら…

あたしは思いっきり小谷田大海に向けて水をかけた。



「ぶわっ!つめてっ!!
あつみ、もうちょっと手加減しろよな?」


あたしは小谷田に向けて舌をべーっと少し出してやった。



「倍にして返してやるからなー!!」



あたしたちは小学生のようにはしゃぎ回って水をかけあった。





「あつみは、笑顔が似合うな。
もっと笑えよ!」


それは素直に、嬉しかった。








そして、この男を好きだと思った。

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