声が出せたなら…


あたしなんかの為に大海は泣いてくれた。


「声を出してくれ…!
あつみ…っ!」


大海が叫ぶ。




「…っす…」


「…あつみ?!」




あと少し…。


「…す……っ」


「あつみ!!」


「す…き…」



大海はまた泣いてあたしを抱きしめる。

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