声が出せたなら…

「俺…決めた。」



は?


なにを?




「俺がお前のこと、ぜってー声出せるようにしてやる!」


…はぁ?



「『どうせ出せない』とかゆーな!
そうやって思ってるうちは本当に出せねーんだよ!
俺が昔読んだ本で、精神的ショックなどで声が出せなくなるとかなんとかっていうのあったの思い出した。
お前もなんかあったんだろ?」



小谷田大海の声が教室中に広がり、あたしたちはみんなの注目の的となった。




…ほんと、なんなのこの人。


あたしの事情を探ろうとしてるの?




ただの興味本位で?

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