戦場派遣
突然、部屋のドアが勢いよく開き、杉山は振り返った。

ドアの前には異様な姿の男が立っていた。

頭にはヘルメット、上下迷彩服、足にはブーツ、そして肩には映画でしか見たことのないライフルのようなものが掛けられていた。


次の瞬間、男は杉山に走りより、いきなり杉山の左の頬を殴りつけた。


不意をつかれた杉山は、殴られた衝撃で床に倒れこんだ。


「貴様！まだ着替えておらんのか！さっさと着替えんか！」


なにが起きたのか杉山にはわからなかった。

どこに連れてこられたかもわからず、
なんで殴られたかもわからず、
なんで怒鳴られてるかもわからなかった。


呆然と見上げる杉山の胸ぐらを掴み、もう一発、こんどは反対の頬を殴り付けた。

「さっさと着替えろ！命令だぞ！」


意味もわからず殴られた杉山は怒りが込み上げ、右手を握りしめた。

「…いってぇ。この野郎。」

杉山は怒りに行動を任せ、男に突進していった。



が、あと一歩で男に手が届く位置で、男は杉山にライフルを構えた。


「死ぬか？」

男の目は殺気だっていた。

恐怖のあまり、杉山は握っていた拳をゆっくりと下ろした。
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