戦場派遣
「あ、杉山です。田代さんはいますか?」

杉山は登録している派遣会社に電話をした。

「はい。田代です。杉山さん、お疲れ様です。」

「お疲れ様じゃないっすよ!なんすか!?この仕事!」

「なにって戦場派遣ですが。」

「戦場派遣じゃねーよ!もう帰るから足をよこしてくださいよ!」

電話口で田代は鼻で笑った。

「杉山さん、それは無理でます。最短でも一ヶ月の契約ですから。」

田代の対応に杉山はヒートアップした。

「はぁ?ふざけんじゃねーよ!こんなの違法派遣じゃねーかよ!訴えるぞ!」


「国を相手に訴えて勝てると思っているんですか?」

それを聞いた杉山はしばし、言葉を失った。



なんだ?国を相手に?
俺の相手は派遣会社だぞ?
「あんた、何を言ってんだ?俺の相手はあんたら派遣会社だぞ!」


田代は少し黙った後、静かに口を開いた。

「いいでしょう。杉山さんには教えてあげますよ。」
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