戦場派遣
「お、俺には人を殺すことなんて…で、できません。」

「なら、死ぬだけだ。」

男は杉山を冷たく突き放した。

杉山は膝を抱えてうずくまった。
目を閉じるたび、さっきの映像が目蓋の裏側をスクリーンした映画のように鮮明に映し出された。

男は寝ていた場所に戻り、再度眠りについた。



しばらくして震えの止まった杉山はゆっくり死体に近づいていった。


薄暗くてよく見えなかったが、目を開けたまま死んでいた。

まるで自分を見られているような感覚を覚え、手をかざし、目蓋を閉ざした。


あまりにも強烈な血の匂いに、杉山は胃の中の物を全て吐き出してしまった。


「なんでこんなところにいるんだろう。」

杉山は木々の間から見える綺麗な星を見上げながら呟いた。
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