戦場派遣
少しして、杉山は布団から起き上がり時計をみた。

「17時か…。給料でも取りにいくかな。」

履き潰し汚れたスニーカーを履き、表に停めてある自転車にまたがった。

颯爽とペダルをこぎ支店へと向かった。

エレベーターを使い9Fへ。

慣れた様子で支店のドアを開けた。

「お疲れさまです。給料受け取りにきました。」

すると、受け付けの女性が顔をあげた。

「杉山さん、お疲れさまです。ちょっと待ってくださいね! 支店長!杉山さんがいらっしゃいましたよ!」

そう言うと、奥から支店長の田代が現れた。

「お疲れさまです。お仕事の調子はどうですか?」

「…まぁ普通ですよ。」

「そうですか。実は杉山さんにお話がありまして…。」

田代は資料を杉山に手渡した。

手渡された資料にはこう書かれていた。



【一ヶ月の短期のお仕事、日給2万円】

「どうです?すごいでしょ?」

「日給…2万…ですか?」

田代は小さく頷いた。

「このお仕事は杉山さんじゃないと駄目なんですよ。 杉山さんはうちの支店に登録してから欠勤が一回もない。勤怠状況を重視される職場なんです。」
< 5 / 22 >

この作品をシェア

pagetop