天体観測
夏が終わる
机の上に置いてある携帯が、鈍い音を出して振動している。幸か不幸か、『Saturday in the park』は鳴っていなかった。起き上がろうとしても、うまく身体が動いてくれない。僕の身体は、まだまだ睡眠を必要としている。何回かコールした後、いきなり恵美が部屋に入ってきた。僕はそれに飛び起きた。けれど、うまく状況を掴むことが出来ないまま、とりあえず電話をとることにした。
「もしもし」僕が言った。誰が聞いても、寝起きとわかる声だった。
「もしもし……。私、雨宮紗織」
「ああ。どうした?」
「今日、七時に駅前やって」
「今日?何かあった?」
「お祭り……」
「ああ。行くの?」
「昨日……そう話したやん」
「ごめん……覚えてなかった。わかった。七時に駅前ね」
「絶対来てね」
「ああ」と言って、電話を切り、ベッドの上に放り投げた。
今日は片付けなければいけない問題が山ほどあった。それを考えるだけで、もう二時間は寝ていたい気分になる。けれど、とりあえず、急に、目の前に転がってきた問題を片付けなければいけない。
「何でここにいる」
「家におっても、辛気くさいねんもん」
「普通、そういうものなんじゃないのか?」
「たしかに、昨日の今日やもんね」
「そうだよ」
「そんなことより、はよ起きて。えらい人来てんねん」
少し間をあけて、僕が言った。
「誰」
「マスター」
「は?」
僕は驚きのあまり、目が零れ落ちそうになった。
「もしもし」僕が言った。誰が聞いても、寝起きとわかる声だった。
「もしもし……。私、雨宮紗織」
「ああ。どうした?」
「今日、七時に駅前やって」
「今日?何かあった?」
「お祭り……」
「ああ。行くの?」
「昨日……そう話したやん」
「ごめん……覚えてなかった。わかった。七時に駅前ね」
「絶対来てね」
「ああ」と言って、電話を切り、ベッドの上に放り投げた。
今日は片付けなければいけない問題が山ほどあった。それを考えるだけで、もう二時間は寝ていたい気分になる。けれど、とりあえず、急に、目の前に転がってきた問題を片付けなければいけない。
「何でここにいる」
「家におっても、辛気くさいねんもん」
「普通、そういうものなんじゃないのか?」
「たしかに、昨日の今日やもんね」
「そうだよ」
「そんなことより、はよ起きて。えらい人来てんねん」
少し間をあけて、僕が言った。
「誰」
「マスター」
「は?」
僕は驚きのあまり、目が零れ落ちそうになった。