吸血男子
「ま、いいけど…美梨亜帰るぞ」




 キュッと美梨亜の腕をつかんでいた俺の手を美梨亜の手に移動させる。




「うんッ♪」




 優しいフニャっとした顔で俺をみる。





 うわー…これで腹いっぱい血吸える…。





 空中散歩でラブラブかえりてぇ……。





「美梨亜、帰ろうか」

「うん!!」



 それは無理みたいであっさり、俺の手から氷咲の手に乗り換えた。





「…美梨亜さん? 俺と手つないでくんないの?」

「なんか夜いっぱい血吸われそうな感じがしたから…魔女の勘は当たるからね♪」



 俺ら4人にしか聞こえない声でそう言った美梨亜は氷咲と笑いながら帰って行った。





 覚えてろよ……。




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