吸血男子
「ていうかどこがラブラブじゃないっていうの!?」

「全部」

「一緒の学校に通ってないだけじゃないの!!」

「それはいいわけじゃねぇの?」




 言いわけ?




 私…ラブラブじゃなってことも認めてないのに。





「もう切る!」

「逃げるんだ?」

「違うッ!!」





 陸君ってなんでそんなことしか言えないの…?



「第一、美梨亜みたいな可愛くない女、あんなイケメンに好いてもらえるはずないだろ」

「……ッ…ヒクッ」






 そんなの私が一番わかってるつもりで。




 誰にもいわれたくなかったこと。




「もッ…ほっといて…よ…ッ…」




 大きな塩水の雫が机に落ちる。





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