吸血男子
 海斗君は私の首筋から顔をだすと私の目を見た。




 少し血の付いた手で私の涙をぬぐってくれる。





「美梨亜の心が女の子なだけだよ」

「…どういうこと……?」

「魔女だって人間の心とは何の代わりもない、女の子の傷つきやすい心じゃねぇの?」





 そう…なのかな?





「俺だって普通の人間と同じ心だと思うけど?」

「そッか…」




 何も変わりはないんだ…。





 ギュッと海斗君の胸に顔をうずめる。




 ドクンドクンと速い鼓動が聞こえる。





 ドキドキしてるのかな…?





 上で平然とした顔でリンゴを食べてる海斗君。





「ちょっと血吸い過ぎたかも、大丈夫?」



 苦笑いをしてるのに、ドキドキしてるの?




 ちょっと熱いのもドキドキしてるのかな?






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