吸血男子
 私の勝手な想像なだけなのに、不思議と安心に吸いこまれていく。




「あー…もう学校いかないとな」

「うん…」

「今日も頑張れよ。帰りは迎えに行くから」

「うんッ」




 海斗君と真逆の方向に行くのが不安で仕方ない。





 陸君と会うのも気が進まない。





 家を出てから自分が少し貧血気味だと気付く。






「ふぅ…」




 バスで空いてる席を見つけて座った。




 くらくらするな……。




「あッ…」



 乗り込んできたおばあさんが座り場所を探してる。





 私はおばあさんに席を譲り、吊革につかまった。





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