吸血男子
「…貧血?」



 ギリギリ支えてくれた陸君がひやひやした顔でそういう。



「うん…ちょっとねー」

「ちょっとじゃねぇだろ」




 学校につくと強制的に保健室に連れて行かれた。



「大丈夫だってば!! 私時哉君見ないと…」

「そんな体調悪い奴に教室いられても迷惑だ、寝てろ」

「無理」




 乗せられたベッドの上から降りて教室に戻った。




「おっはよぉー、美梨亜ちゃん!!」

「おはよー♪」

「今日体育あるってー」

「楽しみだねー」




 草野君たちとしゃべっていると後ろから抱きあげられた。



「何すんの―!!」

「家帰れ」

「無理」

「ダメ」



 私の鞄を持っている陸君。



「体調悪いみたいだから家送ってくるからセンセー言っといて」

「うーい」



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