吸血男子
 学校から出るとおんぶされた私。




「家どこ?」

「…同じ方向なんでしょ……」



 もう家に帰って寝たほうが早く陸君から解放されると考えた私は素直に従う。





 バスに乗り、降りて家の近くまで来るとケータイが鳴った。




「き、霧君……」

「誰それ、男?」

「男の子だけど…うわぁ…出たくない」





 渋々とケータイを取った。





『あ、俺霧ー』

「知ってるよ…」

『海斗倒れたから家送っといた』

「は?」



 海斗君が…倒れた……?




『熱ヤバかったんだけど…気付かなかった?』

「…私……自分のことばっかり考えて…」

『海斗もなんか今日テンション低かったな。何かしたんじゃねぇの』

「…えー…」




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