吸血男子
 ひょこっとロビーから顔をのぞかせた海斗君は冷却シートをおでこに貼って前髪をゴムで結んでる。



 ラフなスウェット姿でこっちをにらみながら出てきた。




「なんでこいつがいんの?」

「ちょっと貧血になって…」

「マジか…わりぃ…」




 陸君の背中から海斗君の胸の中に変わった。




「海斗君こそ…大丈夫? ごめん…私…気付かなかった」

「平気」




 ぎゅっと私を抱きしめる力を強めて陸君と話しだす。





「…え、なんでお前が美梨亜んちにいるわけ…?」

「俺の嫁がお世話になっちゃって悪いねー」

「…は? 嫁…?」





 俺の嫁って…////




 彼女より恥ずかしいや。




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