吸血男子
 *美梨亜side*



「ごめんな…美梨亜」



 ダルそうに布団に顔をうずめながらそう言う海斗君。






 謝らなきゃいけないのは私なのに。





「…海斗君……私、自分のことばっかりで海斗君の体調が悪いのにも気づかなかった…」



 本当最低な女だよ。




「…お嫁さん失格だね」

「何いってんだよ。今、美梨亜が看病してくれてるだけで俺は十分だし…自分でも体調が悪いとか気付かなかった」




 ハハッと笑った海斗君は私の頭をポンっと撫でてくれた。





「私ね…陸君に海斗君は本当に私のことが好きなのかって言われて…ドキッとしたんだ…。海斗君の悪口も言われてショックだった…。でもね、考えて見ると海斗君が私なんかを好きになる要素さえないんじゃないかって」



 ぽろぽろとこぼれてくる涙を海斗君に見えないように洗濯物をたたむ。





「信じてるって言ったけど…どこか疑ってて…海斗君ごめんね…?」




 私にスキって言ってもらえるところなんてないんだって実感して。





 海斗君を疑ってしまう自分が憎くて。





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