吸血男子
「弱らせた本人が癒しになるわけねぇじゃん」

「……はぁ? お前、恋する男の気持ちわかってねぇな」

「お前の気持ちなんて知りたくねぇし」

「………言ってくれんじゃん…」





 仲いいのか悪いのかわかんないな、この二人。






「なんで粥なんか作らされるわけ?」

「今日、俺体調悪いから」

「美梨亜に作ってもらえよ」




 私を抱きしめていた海斗君の腕の力が少し強くなった。




「美梨亜の飯…食ってみたい…?」



 海斗君の意地悪するときのような声が聞こえる。





 自然と頭の中にその時の顔が浮かぶ。







「食いたい!!」




 あんな毒物みたいな料理を食べたがるなんてどうかしてるんじゃないか。と思ったけど…陸君は見たことないんだ。





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