吸血男子
「ん……」


「あ、起きた」





 ボーっとする頭の中にぐらぐらしている天井が映った。





「風呂で寝んなよ」

「え、寝てた?」

「あぁ。ブクブクって聞こえてきた…溺れてた(笑)」




 よかったー…生きてて……ってあれ。





「かッ…海斗君!!ふ…ふ……」

「服なら俺が着せた」

「え……………………う、嘘…」

「嘘じゃねぇけど。イレイズ使った」

「イ、イレイズでも…感触は…」





 イレイズっていうのは消えるという意味。




 たぶん海斗君は私をイレイズで消して見えないようにして服を着せてくれたんだと思うけど…。




 そこにいるっていうのは触るとわかっちゃうんだ。





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