吸血男子
 でもそのおかげで陸は途切れそうな意識を取り戻した。



 俺は美梨亜を引き寄せて片手で抱き上げる。





 荒い息で苦しそうに呻いてる美梨亜。




「もう少しだ!!」




 親父がそう叫んだ瞬間、陸の魔力が急に上がった。




 少しずつ少しずつ魔法陣からの光は消えていく。




「終わった……」




 俺はそうつぶやき陸を見た。





 陸は俯いてる。




「…陸……?」



 一声かける。



 バッと顔をあげた陸。




 その瞬間、気を抜いていた俺らは全員陸の魔力で吹き飛ばされた。





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