吸血男子
「美梨亜ー、ここ教えて」



 休み時間、教室で本を読んでいると陸君が来た。




「ここの授業早くてわかんねぇよ…」

「悪徳はちゃんと授業出てないもんねー…」

「あぁ(笑)んでさ、ここなんだけど」




 ノートを開いた陸君は真剣な顔つきで数式を睨む。





「ここはー…ってこれさ、中学生レベルじゃないの?」

「わりぃかよ。わかんねぇもん」

「いいんだけどさ……」




 真剣にやってるし構わないけど。




「陸くーん♪ うちらが教えたげる~」




 数人でやってきたクラスメイトの女の子たち。



 たしか…八神さんのチームだ。



「美梨亜ちゃん本読んでるしぃ~」

「わ、私はいいよ?」



 そう言うとすごい目つきで睨まれた。




「あっ…陸君……八神さんたちに教えてもらったら…?」




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