吸血男子
「美梨亜、おはよう」

「あ、雪乃ッ!! おはよー」




 私はそそくさと雪乃ちゃんに駆け寄って二人から離れた。




 この美人は氷咲 雪乃(ひょうざき ゆきの)。
 



 私の大親友だよ。
 

「どしたの」

「海斗君と霧君がまたやってるの」

「あぁ……霧、それぐらいにしときな」





 雪乃が霧君の首元を掴んで海斗君から離す。





「氷咲、そのままずっと掴んでろ」

「…なんで黒川に命令されなきゃなんないの?」

「命令じゃねぇ」

「いーや、それは命令だ。霧、行くよ」



「うぃ…」



 雪乃に連れて行かれた霧君。



「はぁ…朝から疲れるっつーの」

「でも海斗君楽しそうだよ?」

「んなわけねぇじゃん」




 ずーっと海斗君を見てきたのに見間違えるわけないよ。




 初恋だったんだから……。





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