吸血男子
「は? マラソン…? ふざけんなよ…」




 なんでこんな日にマラソン…?





 マジで迷惑っつの。





「もうすぐクリスマスだ!! 男としては彼女にカッコいいところを見せて突っ走ってこい!!」



 まさに体育の先生、って感じの先生が豪快に笑ってピストルを鳴らした。






 女子はグラウンドでリレーをしている。





 俺らは一般道路を使ってのマラソンとか…あり得ない。



「「「海斗ーー!! 頑張れぇ~」」」



「「「陸様ぁぁぁ!! ガンバってぇ~」」」



 陸も転校してきて十分目立ってたのに生徒会にもなったことでもっと人気が上がった。





 本人はすっげぇ困ってるけど。




「モテるなら美梨亜がいいんだけど」



 俺の横を走る陸がそう言う。



「はい、残念」

「…こんな奴のどこがいいんだか。俺のが優しいっつの…」




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