吸血男子
 頬が緩んでるよ。





 中学校の時の海斗君はずっと1人だった。






 幼馴染だった私もなかなか近付けない雰囲気を出していて…不機嫌そのものだった。








 でも…本当によかった。






 笑いあえる友達っていいよね。





 仲が悪そうな2人だけど、本当は心が通じ合ってるんだもん。






 私、知ってるよ。





 海斗君が勇気をだして隣の席だった霧君に話しかけてたの。





 自分から変わろうなんてそうそう出来るもんじゃない。






 しかもたまたま向こうもモンスターだって…運良すぎだよ。





「…海斗君はさ、霧君がオオカミ男だって知って話しかけたの?」

「ん? ちげぇよ。たまたま」

「たまたまかぁ…私も雪乃に話そうかな…」

「好きにすれば」




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