吸血男子
 *美梨亜side*




 私からキスですか!?




 目を瞑った海斗君のまつ毛は女の子並みよりずっと長い。





 私なんてすっごく短いんだから!




「まだ?」

「うー…」

「美梨亜、遅い」



 そう言った海斗君は大きな手を私の頭の後ろに置いて引き寄せた。




「先越されちゃったー…」



 唇が離れた瞬間に、そういい…私も一瞬だけ自分から重ねた。




「うわッ…今やるとは思わなかった…」

「へへっ……」




 結婚してるのに、恋愛初心者みたいな私たちだけど。






 ちゃんと海斗君に恋してるんだ。







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