吸血男子
 歩いて5分くらいで着いた公園にはやっぱり陸がいた。



「あれが美梨亜の妹か…?」



 後ろ姿でよくわからないが、背丈や見た目はさほど変わらない。





 ただ美梨亜の髪は色素の薄い茶髪だけど、妹はもっと濃い。




「陸」



 傍まで寄って行き話しかけた。




「お、海斗じゃん」

「……か、いと…?」

「そう。お前の姉貴の婿だぜ?」

「初めて、会った」




 そう言って俺に目線を向けてきたのはたしかに美梨亜そっくり。





 でもファッションは全然違うし、愛想がないっつーか…。




 俺は美梨亜の方が好きだ。





「私、夏井美鈴」

「黒川海斗」

「今、聞いた…」




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