吸血男子
 シャワーを浴びながらお湯を入れる。



 イレイズの魔法を解除すると生ごみの匂いが一気にお風呂に充満した。




「うーっ…」



 同時に目頭が熱くなった。




 シャワーで自分にも涙をごまかす。




 泣いてるわけにはいかないんだよ。



 自分に言い聞かせて心が落ち着くまでお湯で温まる。





 お風呂を出ると着替えが置いてあった。




「ははっ…海斗君でも場所わかるんだ…」




 少し笑みが表情に出た。




「あー? なんつった、今!!」



 お風呂の外から声が大きな声がした。



「なんでもないよー」



 こっちも大きな声で返事をした。



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