吸血男子
「黒川って美梨亜には甘いんだ~」

「そうかな?」

「あんな奴のどこがいいの」

「全部」

「は? ケンカ売ってんの?」




 別にケンカ売ってるわけじゃないけど…






「もう全部好きなの。不器用なのに優しいし…何気に心配性だし…海斗君の笑顔を最高だよ!!!」


「へぇ……だってさ、黒川」





 妖しい笑みを浮かべた雪乃はくるっと回転をしてだいぶ離れている海斗君のほうを見た。





 海斗君は寝てる。






「ありゃ聞こえてたな。確実。今日の帰りが楽しみね」

「……///////」




 か、海斗君は寝てるんだもん!!




 聞いてないよ、たぶん。







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