吸血男子
「んなこと心配しなくてもいいから…」

「うん…」



 ギュッと私の心を包むように抱きしめてくれた海斗君。



「授業始まるし戻ろう」

「そうだね」




 授業はいつもより楽だった。



 心を潰している鉛が少し軽くなった気がした。



 海斗君の魔法はすごい。





 放課後、席替えが発表された。




 私の横はなぜか全く新鮮味のない陸君で…前は霧君。



 後ろはあまり喋ったことのない男の子。




 通路を挟んで隣がこれまた話したことのない男の子。




 通路を挟んで斜め前が海斗君。




 雪乃と時哉君は隣。




 海斗君はつまらなさそうに隣の女の子と話してる。




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