吸血男子
「ね、ね! 美梨亜ちゃん」

「え?」



 話したこともなかった隣の男の子が急に話しかけてきた。



「俺、西野 悠輝(にしの ゆうき)。よろしくな!!」



 なんで隣の女の子に挨拶せずに、こっちにあいさつするのかな?



「よろしくね」



 一応挨拶しておく。




 後ろの男の子はなんだかすごく真面目そう。



 田中くんだったかな。




「陸君が横だと授業集中できなさそうだね~」

「俺も集中できねぇっつの。横に彼女そっくりな女がいるんだからな…」

「いてもいなくても寝てるじゃん」

「うるせぇよ」




 先生が一通り話し終わるとみんなが帰りの準備を始める。




「美梨亜」

「んー?」


 鞄に荷物を入れながら陸君に返事をする。



「…いじめられてね?」

「え!?」



 バサバサっと教科書を落としてしまった。




「…な、なんで?」

「それ」



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