吸血男子
 指をさす方向には私の鞄。


「あ…」

「なんだよ、その手紙」



 一枚を鞄から取り出した陸君は手紙を開いた。



「…これさ、やばくねぇの?」


 こっちに見せた1枚の紙には『3日以内に2人と別れろ。殺す。』と書いてあった。





 今まで怖くて見てこれなかったけど…こんなことが書いてあったんだ。





「2人ってなんだよ? 美梨亜、お前二股かけてんの?」

「ち、違う!!」




 私たちの異変に気がついたのか、周りがざわつき始めた。





 そのとき声がした。




「海斗君聞いた~? 黒川さん二股かけてるんだって。あんな人別れちゃいなよ」




 声の持ち主は海斗君の隣の席の中島さん。





「海斗君!! 違うよ!?」

「……」



 じわぁっと涙が出てきて海斗君の表情がわからない。






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