吸血男子
 教室に戻ると人はほとんど残っていなかった。



 いたのは海斗君と陸君…雪乃に霧君。




 なぜか、西野君と中島さん。




「美梨亜、二股って何のコト?」


 私に手紙を見せながら真剣な顔でいう海斗君。





 今までの嫌がらせがフラッシュバックしてくる。




「海斗君~、黒川さんなんて放っておきましょうよ~」

「ちょっと黙っててくれる?」

「えー」




 どこから話せばわかってくれる?




 どこから話せば信じてくれる?




「美梨亜」

「ふぇッ……」

「なんで泣くんだよ…?」



 泣く私の肩を揺すって聞いてくる。




「黒川!! 落ち着きなさいよ!」


 雪乃が私の肩を揺する海斗君の手をつかんだ。




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