吸血男子
「先輩っ!!」


 教室に後輩が押し寄せてくるのも珍しい光景じゃなくなった。




 隣の席の中島さんも迷惑そうに後輩を睨んでる。



「美梨亜ちゃん、ちょっといいかな?」



 海斗君のほうを見てると横から声をかけられた。




「えと…何?」

「ここじゃあれだから…屋上でもいい?」

「いいけど…」



 言われるがままに西野君について行く。





 屋上に着くとフェンスにもたれかかった西野君。




「話って?」

「美梨亜ちゃんって黒川のことが好きなの?」

「…うん、好きだよ?」



 隠しても仕方ないことだし、言う。



「西野君の話ってそれだけ?」

「違うよ。俺のこと…悠輝って呼んでくれない?」

「…わかった。悠輝君、話しって?」


 君付けでしか男の子を呼んだことがない。



「俺、美梨亜ちゃんが好きなんだ!! 付き合ってくれない?」

「へ?」


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