吸血男子
 隣の席の中島という女。



「顔色悪いですよ?」

「うるさい」



 あ、俺…やべぇな。




 せっかく心配してくれてんのに。




「わりぃ」



 一言謝って教科書に目を移す。





 しばらくしてベルが鳴る。


「あー…終わった」



 今日の授業もなんとか乗り越えた。



 鞄を持って席を立つと同時に、視界が歪んだ。






「か、海斗君!!」


 大好きな美梨亜の声が聞こえて意識が遠のいた。




 やべぇ…美梨亜を守んなきゃいけねぇのに。




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