吸血男子
 そういう海斗さん…。



 あなた…ヤバすぎです。




 白いタキシードにセットしてある髪。




「あ、ありがと///」



 小さくお礼を言う。





 神父さんが私たちの前に立ち、よくドラマとかで聴く誓いの言葉を言う。





「その健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか?」




 優しいゆっくりとした声で言う神父さん。




「はい」



 お互いに返事をした。



「誓いのキスを」




 これまでやっちゃうんですか。




 笑顔で見ているみんな。




 海斗君が私のヴェールを上げて、小さなリップ音を立ててキスをした。





「恥ずかしいね…」

「そうか?」



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