吸血男子
「朝からうるさいって。お前ら」

「陸君!!」



 霧君の隣に走ってきた陸君。




 この3人は同じ学校。




 急いで電車に乗って息を整える。




「空飛んでいった方が楽じゃねぇ?」

「海斗君がダメだって」

「出た。愛しの海斗君」



 バカにするように鼻で笑いながら霧君が言う。




「うるさい!」

「はぁ!? お前だろ。海斗君、海斗君ってうるさい」



 毎朝のようにケンカしてる私たち。




「二人ともうるせぇよ。ここ電車の中だっつーの。場を考えろよ」



 冷静な陸君がいつも止めてくれる。



「ん? 美梨亜…なんか顔色悪くねぇ?」

「はッ。いつも変な顔してるしな」



 うるさい霧君を放っておいて鏡をだした。




「メイクは今日してないんけどなー…」

「それ…ノーメイク…?」

「うん。そうだけど?」



 ぽかんっと口を開けてる陸君。




 イケメンが台無しだよ。



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