吸血男子
二人の愛情ちゃん
学校を出て、並木道を歩く。
「なぁ…今、ふと思ったんだけど……石田って前からいた?」
「え?」
「何か思い出せねぇんだよ。嫌な予感ばっかりするし」
石田先生って…いつからいた? って聞かれたらたしかに浮かばない。
「…科学室って俺、今日の掃除場所だったんだけど…別にニンニク臭くなかったし…」
「考え過ぎだよ」
「…だよな」
海斗君はモンスターなんじゃないかって思ってるんだ。
そんな簡単にモンスターは人間界にいれないし…大丈夫だよ。
「とにかくアイツにはマジで近づくな」
「…う、うん」
いつもより海斗君が真剣で守らなきゃって思った。