吸血男子
 怖くて言えないよ?



 どうしよう。




 『どうしよう』がずっと頭の中で回ってる。





 家に帰るとすでに海斗君の靴があった。





 私は自分の部屋に行ってケータイを取り出した。





『もしもし? どうしたの』



 電話の相手は雪乃。




「ちょっと相談が合って…」

『いいけど。何?』

「子供…」

『出来たの?』

「うん…どうしよう!! 怖くて海斗君に言えないよ」




 私は事情を話した。




『バカね。嬉しくないわけないじゃないの』

「……ホント?」

『確実に霧なら喜ぶわ』

「霧君じゃないよ~」

『黒川も同じだと思うけど?』




 散々話した結果…話すことにした。




 てか、話さないといけないんだけど。




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