吸血男子
「あれ? 美梨亜帰ってたんだ?」

「うん……」

「どうした? 元気ねぇじゃん」



 ソファに座って水を飲んでる海斗君。




「……」

「友達できねぇとか?」


 ―――ピクッ


「図星…?」

「いや…それもあるんだけど」

「じゃあどうした?」



 手招きをして海斗君の足の間に座らされた。




 一瞬キスをして後ろから抱きつかれる。




「絶対驚かないでね?」

「……話しによる」

「うー…」

「早く話して。」




 ちょっと待ちくたびれたのか海斗君は抱きしめる力を強めた。




「赤ちゃん…」

「…欲しいの?」

「ううん。まぁ…欲しいけど」

「じゃあ何?  ………まさかですか?」




 コクンッと頷く。



 急に立ち上がった海斗君。



 足の間に座っていた私はソファから落ちた。



< 344 / 378 >

この作品をシェア

pagetop