吸血男子
「あ、わりぃ…」


 脇の下に手を入れてもう一度ソファに座らされた。




 海斗君はテーブルの周りをぐるぐる回ってる。





「…子供出来たの?」

「うん…」

「………」

「ごめん」

「なんで謝んの? …やっべぇ…ちょい待って」




 そういうと口元を押さえてた海斗君。





「?」

「めっちゃ嬉しい……うっしゃぁぁぁああ!!!」




 大きな声で叫んだ海斗君。



「へ?」

「俺…父親になるんだよな」




 一瞬見えた口元はすっごくニヤけてた。





 よかった………。




 産むなって言われたらどうしようかと思った。




 私の口元も自然と緩んだ。



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