吸血男子
「美梨亜ちゃ~ん? …どういうことだよ?」

「えーっと」



 やましいことなんてないはずなのに…いざとなると言葉が出てこない。




「なんてな!!」

「へ?」


 少しキレ気味の顔から一気に笑顔になった海斗君。




「俺は美梨亜と陸信じてるし。まぁ…毎朝、大学に一緒に来てたらそうなるだろ」




 私の頭をくしゃっとして笑った海斗君。





「海斗だな…俺も焦った…。美梨亜には手ぇ、出さないから」

「当り前だろ」




 周りにいた人たちも空気を読んだのか、少しずつ去って行った。




「あ、凛。改めて紹介するね!!」

「うん!!」


 待ってました! とばかりに私の前に立った。



 私の横にはどこかを見てる海斗君。




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