吸血男子
「あー……誰だっけ?」

「まぁ、そりゃそうだな」


 首を傾けて凛の彼氏さんを見た。



「同じ大学…?」

「あぁ。ちなみにいつも結構近くに講義のとき座ってるんだけど。まぁ、モテてて周り女だらけだから見えてなくて普通だろ」



 すごいスピードで話しだした彼氏さん。




 私と雪乃と海斗君は唖然としてる。





 でも、ちょっといらっとした。




 周りが女だらけ…?



 言われなくても分かってたけど…現実だ。



「でもなんで黒川がここに?」

「俺んち」

「へぇ…立派なとこに住んでるんだって……は?」

「んだよ」



 少し面倒くさそうに話してる海斗君は私の髪をいじり始めた。




「凛は美梨亜っていう子の家に行くって……どうなってんの?」

「俺と美梨亜の家が一緒っつーことしかあり得ねぇだろ。バカか」





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