吸血男子
 楽しそうにティッシュで遊んでいる十夜。



 邪魔出来ないよ~…。





 相当な親バカだと思う。





「あ、お弁当…渡すの忘れてた」




 ポツンと机の上に置かれている見慣れたお弁当箱。





「一緒に持っていこうか!」



 十夜を抱きかかえてお弁当を持って海斗君の大学に向かう。






「あれ……どっちだっけ…?」



 結構来てるはずなのに、何回行っても覚えれない道。




 私はケータイを取り出して地図を見る。





「こっちかな~…?」

「あぶ~…」




 私の髪をいじりながらなぜか返事をする十夜。




「う゛-」


 十夜が私の持っていたお弁当箱を宙に浮かべる。


「あ、コラ!」


 誰かに見られたらどうするの~。




 
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