吸血男子
 予告なしに来たのは初めてだからびっくりしたのだろう。




 周りの人たちをかき分けて私の傍に来た。




「どうした?」

「後ろからの視線がぁ…」

「?」



 後ろを見る。



 ニコニコしてる女の人たち。



 海斗君がまたこっちを見た瞬間、一気に睨みを聞かせる人たち。




「あ、お弁当忘れたでしょ?」

「マジ? サンキュ」



 海斗君にお弁当を渡す。




「今日は迷わなかったんだ?」

「十夜が教えてくれたの(笑)」

「ぶっ!!」



 吹いた海斗君は口元を押さえて十夜の頭を撫でた。




「さすが俺の息子だな。美梨亜とは出来がちげぇんだよ」

「ひどッ」



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