吸血男子
「食べたくなかったらいいよ? 無理しなくても…」

「ん、食うから置いといて」

「へへ……」




 なんだかんだいっても、いつも残さず食べてくれるんだ。







 結婚した当時は絶対食べてくれなかったんだけどねー…。





 私と海斗君はいわゆる政略結婚だったんだ。









「口直しに血頂戴」





「痛くしないでよね?」






 夕食が終わると海斗君は私の横に来て必ずそう言う。





『血』




 ま、普通に怪我したりすると出るあれね。





「イッ…タァ……」



 慣れない。




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