吸血男子
「…美梨亜?」

「……」




 俺が話しかけたら絶対に振り向くはずの美梨亜が俺の横を通り抜けて玄関に行った。





「もう暗いけど…どこ行く気?」

「……」

「美梨亜」

「……」




 俺は無理矢理、美梨亜の腕を取ってこっちを向かせた。




「…美梨亜?」





 俺が美梨亜の顔を覗き込む。






 操られてる?






 目が虚ろで体温は低く、やけに青い顔と言ったら闇属性の『doll』だ。





 人形みたいに操られて何もしゃべらない。






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