吸血男子
 やっと道に降りられたと思ったら見たこともないお屋敷の前。





 吸い込まれるように中に入ってしまう私。







 杖に呪文を頭の中で唱えるけど…届いてないみたい。






『ようこそ。わが城へ…』


「!?」





 頭の中に響いた低い声。





 辺りは真っ暗で誰もいない。






 ちょっと寒いや…。






 その時、後ろからシュルッと音がして一気に両手を縄でくくりつけられた。




『逃げないようにな』




 少し笑ったような声でそういうと姿も見えない低い声は何やら聞いたこともない呪文を唱えた。





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