吸血男子
 すると縛られていたような体に自分の力が入った。




「あ…動く……」




 けど…縄が解けない。





「誰なの? 出てきて」

『出てきても見えないであろう?』

「…幽霊?」

『人聞きの悪い……モンスターと言ってくれ』






 モンスター?





 私は少し安心した。




 幽霊は私には見えないけど…モンスターなら慣れてるし。




「私、モンスターなら見えるわ」

『…力があるのか?』

「…私もモンスターだもの」

『そうか』





 ここまで操ってきたのはこの声じゃないの?




 だったら私が杖を持ってること、空を飛んでたことくらいわかるはず。





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