吸血男子
 本当に8,9歳の男の子。




「名前は?」

『…スカルゴースト』

「!!??」




 スカルゴースト!!??





 脱獄した…あいつだ。





「あなた…私の家族に恨みを持ってるそうね」

『知らん。私は恨みなどすぐに消化して消えてしまう』





 恨みは持てないってこと?




 じゃあなぜ…私を?



「じゃあ縄をほどいて」

『…解いてやりたいが、モンスターとなると話しは別だ』

「私は魔女よ。モンスターの中でも最も人間に近い。杖がなかったらろくなことはできないから」

『……』




 ゆっくりと手に持っていた杖を床に置いた。





 するとスカルゴーストは小さな手を床に近づけて私の杖をとった。




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