吸血男子
『まぁ、よい。解いてやろう』




 スルっと解かれた縄は床に落ちる。




「…何が目的なの?」

『……』



 黙り込んだスカルゴースト。




 本に書いてあったことなど宛てにならない。





 目の前にいるスカルゴーストは本に書いてあったような恐ろしいことをしそうではなく、清々しい顔でこっちをじっと見つめてる。





「な…に…?」




 じっと見つめるだけで何かをするしぐさもなく、おとなしい。







 言ってくれなきゃわからない。





 でも…なんだか悲しげな瞳でこっちを見る。





『…夜が明ける』




 ぽつりとそうつぶやいた。




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